田舎の空き地・空き家を相続して、どうすればわからない方のために役立つ情報を提供します。

スカイエステート ブログ

相続前に知っておこう!田舎の農地を売却する方法      

 

相続などにより農地を有するようになったものの利用する用途が無くて手放したいと考えている時には、対象が農地であるが故に宅地を売却する事例とは異なる事を念頭に置く事が大切です。

田舎の農地を売却する時の選択肢は2つあります。

それは農地の状態のまま売却を行う事例と地目変更をしてから売却を行う事例です。

 

 

農地のまま売却するには?

そのままの農地の状態で売却を行う場合は、売却をする相手が農家もしくは農業生産法人のみに限られてしまうことを念頭に置いておかなければなりません。尚且つ、相手が農家もしくは農業生産法人であっても事前に定められている条件を満たしているか十分に確認する必要があります

 

定められている条件とは、

  • 所有している土地面積が50アールを超えている
  • 所有している農地全てにおいて農業が行われている
  • 農業が継続して行われている(年間150日以上)
  • 申請農地の周辺の農地利用に影響を与えないこと

の4つが挙げられます。

 

これらの条件が満たしている買主が見つかれば売却することができますが、条件を満たしている人を見つけるのが難しいというのが実態になります。

 

農地転用を行い売却する

 

農地転用とは、農地を宅地等他の「地目」に変更することを指します。

知事や農業委員会に申請を行い、地目を変更することで農家以外の方へ土地を売却できるようになり、売却先の選択肢が増えます。

 

ただし、すべての農地が地目変更できるわけではありません。

一言で農地と言っても農用地区域内農地や甲種農地、第一種農地や第二種農地、第三農地に分類されており、地目変更が可能なのは第二種と第三種の2種だけになります。

 

農地区分に応じた許可基準

①農用地区域内農地:原則不許可
市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地

②甲種農地:原則不許可
市街化調整区域内にある特に良好な営農条件を備えている農地で、農業公共投資後8年以内の農地、おおむね10ha以上の集団農地で高性能農業機械での営農が可能な農地

③第一種農地:原則不許可
良好な営農条件を備えている農地で、おおむね10ha以上の集団農地、農業公共投資対象農地、生産力の高い農地

④第二種農地:状況に応じて許可
農業公共投資の対象となっていない小集団の生産力の低い農地、鉄道の駅・市町村役場等が500m以内にある等市街地として発展する可能性のある区域内の農地

・市街地の農地
⑤第三種農地:原則許可
市街地にある区域内の農地、鉄道の駅・市町村役場等が300m以内にある等都市的整備がされた区域内の農地

 

農地を転用したい場合は所有している土地がどの区分に該当するか確認しておかなければなりません。

 

農地転用の手続き

 

農地転用して売却する場合は、農地の売主と買主が連署して申請する必要があります。

 

基本的には

  • 農地転用の申請書
  • 土地の地図及び全部事項証明書
  • 土地に建築する建物や道路の図面
  • 融資証明書(必要に応じて)

などを添付して提出します。

 

また、申請書類は取引する農地の大きさによって提出先が変わります

 

農地が4ha以下の場合:

農業委員会に提出し都道府県知事から許可

4haを超える場合:

都道府県知事に提出し農林水産大臣から許可

市街化区域内の農地:

農業委員会への提出

 

転用が許可されたら、所有権の移転登記が行われます。

その後、買主が工事を行い、完了後に実施報告を行います。

提出先により申請内容通りの工事等が行われているか確認後、地目変更(農地転用)が完了し、売却成立となります。

 

まとめ

いずれの場合も急な相続などで慌てないように事前に所有している農地の区分や売却条件などを調べたり、農業委員会に相談しておくなど適切な準備を行うことが大事です。

投稿者プロフィール

山田 祐生
山田 祐生代表取締役
2006年高校卒業後、大手上場不動産株式会社に営業として入社。土地の仕入、売却それぞれの部署で営業を経験し、エリアマネージャーを務める。
会社の経営に携わる中で、もっと地元に寄り添った形で人々の役に立ちたいと考えるようになり、独立を決意。自身のビジョンに共感してくれた仲間と共に2018年9月にスカイエステート株式会社を起業した。